「おい、テツ!これみてみろよ!」
休憩中、署内のダイナーでコーヒーを啜る俺に
先輩は一通の宇宙間エアメールを投げてよこした。
いきなり投げてくるもんだから、
慌てて受け取ったカード式になってる
今流行りのこのエアメールは、
簡易式のホログラム画像機能つきで。
横に書かれている取り扱い説明に倣ってボタンを押すと、
純白のドレス…まるで花嫁衣裳にに身を包んだ
綺麗な女性の画像が現れた。
「あ!」
その見覚えのある女性の顔に思わず声をあげ、
カードをひっくり返すと裏面に押されている、
地球でいう『消印』の部分が「レスリー星」となっているのが確認できる。
「先輩…このヒト…」
「そ、マリー。今度結婚するんだと。その招待状。
…マリーには幸せになって欲しいし…喜ばしいことなんだけど、
なんかちょっとフクザツな気分だよなあ。」
そう言って先輩は苦笑いを浮かべた。
そりゃそうだろう。
少しの間とはいえ、良い雰囲気になった相手が、
自分ではなく他の存在と連れ添うことになるんだから。
優しいオルゴール音とともに純白に包まれ
美しく微笑むマリーさんの画像を見ながら
フクザツな表情をみせる先輩に、
俺は、なんだか少し面白くない。
そんな感情がおもてにでていたのか、
先輩は俺の顔みてにやりと笑った。
「そんなむくれんなって。…俺もお互い様って感じだしよ。」
「お互い様って…そうなんですか?」
「そうなんデスヨ。」
先輩はにやりと笑ったまま
「ホレ、それそれ。」と俺の左薬指に巻かれた赤いD-エイド
(といったらご大層に聞こえるけど、ようはSP配給のバンソウコウ)
を指差した。
それはつい先刻、
現場に残っていた割れたガラスの破片を証拠として持ち帰る際、
(手袋をしていたとはいえ)
うっかり切ってしてしまい、
「なんでこんな妙なとこ怪我するんだか」と、
先輩が巻きつけてくれたものだ。
余談だけど、このD-エイド。
小学生がハンカチ・鼻紙を常備するがごとく、
SPがライセンスとともになぜか持たされてるアイテムなんだけど
SPDともなると、各自のカラーリング…
(たとえばウメコさんならピンク、センさんなら緑…といった具合)
にされており…、
自分の薬指に巻かれてるバンソウコウというアイテムとしては
いささか派手な色味のそれを眺める
この派手なバンソウコウのどこが、
花嫁衣裳のマリーさんとお互い様なんだろう?
「これが、なんなんですか?」
わけがわからず小首をかしげる俺に
あ〜も〜!わかってねえなあ!!と
少し不機嫌そうに先輩はガシガシ頭をかきむしると
「テツ!お前のD-エイド一枚俺によこせ!」
なんて言ってきた。本気でわけがわからない。
「別にいいですけど…」
と俺の所持してる白いD-エイドを一枚先輩に渡してやると
先輩はビリビリと包装紙を破り、
別に怪我もなにもしてない左薬指にそれを巻きつけ
かざすように俺に見せつけた。
「はい、これでOK。な?これで『お互い様』だろ?」
そういって、キシシとイタズラっぽく笑う先輩に、
地球の習慣に疎い俺でもはっとなる。
俺の左薬指には先輩の「赤」が。
先輩の左薬指には俺の「白」が。
しかも、それを花嫁姿のマリーさんと「お互い様」なんていう。
「ナ、ナンセンスですよ!!!そんなの!!」
言いながら、俺は徐々に頬が火照ってくるのを意識した。
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赤白お題ということで。(汗)
もう何も言い訳しますまい。
ちゃんとした文の書き方を覚えたい今日この頃。
マリーの中のヒト(N山C春)が結婚したそうなのでダブらせてみた。
背景画像は相変わらずペインター塗りで、
未だ機能を把握できず苦戦中…。
2004/11/03 UP