>>>04 ルイボスさんによれば、通常、特キョウの捜査官になるには訓練学校卒業後大抵2.3年は所轄のSPDとして勤務し、 その後、昇格テストなどを受けてようやくなれるものらしい。 初めから特キョウとして訓練されたのは俺が初めてのケースらしく、 「特キョウ設立以来の天才」やら「ヌマ・O長官の秘蔵っ子」やら 今まで色々言われてたがゆえに、俺の初出動の時の周囲の期待は それはもう大きかった。 そして、その初出動は16の時。 特凶クラスとはいっても下のクラスに入るアリエナイザーが出現し、 それならばと俺が指名された。この程度ならひとりで良いと言ったのに、 ヌゥは無理やり俺のサポートとして所轄のSPDをつけさせ、 そのSPDはサポートどころか俺の足手まといにしかならず、 あげく敵の流れ弾に当って重症をおった。 俺が「若い」からといって、命令を無視し、敵に突っ込んだ結果これだ。 白い制服がSPDの血で染まり赤くなった。 地球人ではないくせに、俺と同じ色の体液。 流れでてくるそれを自分でも驚くぐらい冷めた目で見ながら、 まったくもってナンセンスだと思った。 俺の言うことを聞いてくれなかったこととか、 どうしてもっと慎重に、動けなかったのだろうかとか、 どうして、俺はその時何もできなかったのだろうかとか、 そもそも俺ひとりで行けばもっとスムーズに事が進んだろうにとか、 いろいろいろいろ 本当にナンセンスだと思った。 気が付けば・・・というか我に返った時、 事件でおきた騒ぎは応援に駆けつけたルイボスさんの手によって鎮圧されていて。 敵はしっかり俺が、宇宙最高裁判所にきっちりジャッジメントを依頼したうえでデリートしてたらしいけど、 あまり覚えていない。 「帰還するぞ、テツ。」 背後から聞こえたルイボスさんの声にのろのろと顔をあげると、ルイボスさんの白い制服にも、あの赤い染みががついていた。 「・・・ルイボスさん、俺、強くなりたいです。」 らしくもなくそんなことを言ってみる。 案の定、ルイボスさんは色違いの目を一瞬丸くした後、すぐに俺の真意を見透かしたように無表情になり 「あのSPDのケガは自業自得だ。いつまでも拗ねてるな、行くぞ!」 と、少し怒った口調でうずくまってる俺の腕を乱暴に引っ張った。 |
05<<<「そういえば、ルイボスさん10年近くは地球に戻ってないっていってましたけど… ご家族とかはいないんですか?」 「ああ?なんで?」 「家族とか…自分のこと待っててくれる人がいないから帰ろうとしないのかなあ…?って思って…」 「まあ、確かに居ないみたいなもんだからこんな『特キョウ』なんて、単独行動でいつ殉職するかわからん因果な商売やってんだけどな。」 「居ないみたいなもん…って?」 「それ以上はプライバシーの侵害でーす。デリカシーのないガキはいやでちゅねー。」 「・・・でちゅねー・・・って・・・。(汗)」 「そういえばお前も確か天涯孤独だったか。」 「そうですけど、…でも俺にはヌゥっていう立派な養父が居ますし」 「『ルイボスさんのことも兄のように思ってます』なんて言ったらはったおすぞ」 「だ、誰がいいますか!」 「ま、その地に自分のことを待ってる存在がいようがいまいが、そこはお前の故郷なんだから。胸張ってその大地を踏みしめりゃいいのさ」 「………言ってて恥ずかしくないですか?」 「うん、ちょっと恥ずかしい。」 |
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